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事務所通信追伸

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2022年10月号

宮城の女川で東日本大震災に被災し大変な苦労をした友人を、私は5年前に亡くしました。そのことを2017年の10月号の追伸に書きました。

そんな私にとって、夏の高校野球選手権で仙台育英高校が東北勢発の優勝を成し遂げたことは、言葉に表せないくらい嬉しかったです。「あいつが生きていたら喜んだだろうな。」と切に思います。

 いろんな所で言われていますが、須江航(わたる)監督の優勝インタビューは素晴らしかったです。開口一番「宮城の皆さん、東北の皆さん、おめでとうございます!」でした。「ありがとうございます。」でもいいのですが、自分たちのことより真っ先に周囲の人、宮城の人、東北の人です。

 次に「百年開かなかった扉が開いたので、多くの人の顔が浮かびました。」です。ここでも須江監督の思いは他者にあるのです。この言葉を聞いて私は、まず亡くなった友人の顔、その次に1995年まで仙台育英を率い強豪校にした竹田元監督の姿を思い出しました。「優勝旗の白河の関越え」を誰よりも熱望した人ではなかったかと思います。


 強力な投手陣5人を擁しての優勝だったとの問いかけには、「みんなでつないできて、つないできて、最後に投げた高橋も、今日投げなかった3人のピッチャーも、スタンドにいる控えのピッチャーも、みんながつないだ継投だと思います。」と話しました。スタンドで応援していた控えの投手達は涙が止まらなかっただろうと想像します。

須江監督の思いは球児だけに止まりません。コロナ禍で入学式、運動会、修学旅行、卒業式などなどに制限がかかっていることについて「青春って、すごく密なので」と思いやり、そんな制限で「どこかでいつも止まってしまうかもしれない苦しい中で、でも本当に諦めないでやってくれたこと、でもそれをさせてくれたのは僕たちだけじゃなくて、全国の高校生のみんなが本当によくやってくれて……」とたたえました。

最後には下関国際や大阪桐蔭の名前をあげ、続けて「本当にすべての高校生の努力のたまものが、ただただ最後、僕たちがここに立ったと言うだけなので、ぜひ全国の高校生に拍手してもらえたらなと思います。」と締めくくりました。全国の高校球児が涙したのではないでしょうか。


コロナ禍でますます実感しづらくなってはいますが、いろんな人との関わりの中で私たちは生きていることを深く再認識させてくれました。



2022年9月号

 今月号に「続く原材料価格の高騰!どうする値上げ・価格の見直し」とあります。お考えの際には、FX2シリーズの限界利益を確認していただきたいです。参考にならない場合もあるかもしれませんが、何らかのヒントがあるのではないかと思っています。

 さて、私と同じTKC会員で、渡辺忠という熱血漢の税理士が埼玉にいます。その彼が講演で「渡辺家の家訓に『一日一回空を見ろ。』というのがあります。」と話したことを、10年以上たった今でも覚えています。彼はその家訓を「目先のことに追われず、心に余裕を持たせることが大切」という趣旨で話していたと記憶しています。

この話が自分の心中に残ったので、私はほぼ毎日一回は空を眺めています。決して彼への義理立てではなく、やってみると何となく気持ちが落ち着くので、今では習慣になってしまいました。

また、ウチの事務所のOGが在職中の日報に「空は一番身近な大自然だと思います。」と書いてくれたことがあります。北海道に行こうが、アラスカに行こうが、確かに空が一番の大自然です。ただし、宇宙を感じられる星空は別格です。

そして、いつだったかの新聞で記者が「四季の中で夏の空が一番美しい。」と書いていました。よく愛でられるのは秋の空ですが、確かに夏の空の方がきれいだと私も思います。ちなみに、この駄文を書いている合間に、事務所の窓から撮ったのが上の写真です。

 

夏空を眺めていて、思い出しました。私の両親は共働きだったので、子どもの頃の夏休みには父母の実家によく預けられていました。父の実家は松江市内にあり、すぐ目の前にある松江城の石垣に登ったり、蝉取りをして遊んでいました。しかし、より長くいたのは島根半島の漁村にある母の実家の方です。母は9人の兄弟姉妹だったので、村におじおばやいとこが多くいたこともありますが、海水のきれいな日本海で毎日でも泳げるのが一番の魅力でした。

泳ぐだけでなく、砂浜や磯でも遊びました。遊び疲れると仰向けになって海にプカプカ浮かび、海水を介して蝉の声を聞きつつ、青い青い空をぼうっと眺めていました。だから、夏空が好きなのかもしれません。子どもの頃の記憶は長く残るような気がします。

孫が小学生位になったら、きれいな海で一緒にプカプカ浮かびたいと思っています。



2022年8月号

 TKCの研修にて、中央大学法科大学院教授で森・濱田松本法律事務所の弁護士でもある野村修也氏(某テレビ番組でコメンテーターも……)の講演を聴きました。

 言うまでもなくSDGs(持続可能な開発目標)は、20159月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。


はSDGsを環境や文明を守るための義務ととらえ、企業経営にとっては社会的費用だと考えていました。

しかし、野村氏によると真逆です。SDGsはビジネスの新たな大市場です。


このことを最初に指摘したのが、「競争の戦略」で高名なマイケル・E・ポーター教授とマーク・R・クラマー氏です。収益性が高く環境などの社会的課題への貢献度が低い領域がこれまでの既存の市場、収益性が低く社会的課題への貢献度が高い領域にあるのが慈善事業です。この二つの領域しかないと私は思っていました。ところが、2011年に両氏は「収益性が高く社会的課題への貢献度も高い領域がある。」と論文で提唱し、その価値観を「共通価値(Creating Sheared Value)と呼びました。言うなれば、社会のニーズや問題に取り組むことで、社会的価値を創造し、同時に経済的価値を創造するというアプローチです。

ESG投資という考え方もずいぶん広まっています。これは2006年に国連のアナン事務総長が機関投資家に提唱した責任投資原則で、従来の財務情報だけでなく、環境()と社会()と企業統治()も考慮して投資を行うというものです。

たとえば、子ども食堂は子どもの貧困と食品ロスという二つの社会的課題の解消に取り組んでいますが、ESG投資を受けて、海外の極貧層を救い、しかも収益を上げることが可能になるかもしれません。


SDGsは義務ではなく機会です。野村氏は「コロナ禍で更に進む人口減少、巨額の財政赤字、子どもの貧困など多くの社会的課題を抱える日本において、社会的課題の解決がビジネスを生むことを中小企業経営者にも知ってほしい。」と結ばれました。われわれ中小企業は微力ですが、決して無力ではありません。



2022年7月号

TKC会員を対象にした「税理士のための会計講座」が関西学院大学にあります。大学では会計学を専攻し、職業会計人になって35年ですが、現代の会計学を学び直したくて4月から10月まで毎月1回、金曜日と土曜日の各5時間の授業を受けています。

とっても新鮮な気分ですが、毎回のレポートを書くのに(ダジャレながら)汗をかいています。授業の後は頭の中がパンパンになるので、翌日以降にレポートを書こうと思っても書ける気がしません。ですから、金曜日の晩はビジネスホテルで、土曜日の夕方は駅のホームと列車の中でパソコンに駄文を打ち込んでいます。しかし、苦心しつつ楽しくもあり、書き終えた後のビールの味は格別です。


5月には会計とやや離れ「金融システムの動向」というテーマで、寺地孝之教授の授業を受けました。大学教授の枠からはみ出て、複数の会社の社外役員もされていて、経済のダイナミズムをいきいきとお話し下さいました。

寺地教授が一番強調されていたのは、「歴史を学び、大局観で将来を洞察し、変化を読み取る。そして自己変革をする。」ということです。

歴史観、大局観の事例として取り上げられたのが、2021331日の日本経済新聞「パクスなき世界」です。その記事ではまず、1919年のスペイン風邪の大流行、1929年からの世界大恐慌後に格差拡大と新興国の台頭があり、それが1939年からの第二次世界大戦につながったという歴史を振り返っていました。次に、その当時と2021年の状況が酷似していることを示し、以下のように危機の予兆を暗示していました。

 「歴史はしばしば韻を踏む。コロナ禍は人々に危機を実感させ、歴史的にみて不安定な時期に足を踏み入れたと多くの人が自覚するようになった。分断の力学が強まる世界で、新たな秩序を見いだすことは困難な作業だが、すべては足元に表れた危機の予兆を直視することから始まる。現代に生きる私たちは、歴史という舞台の観客ではない。」    


この記事は私も読んだ記憶がありましたが、寺地教授のお話を聴いて、自分の未熟さにハッとしました。知識があっても、それを現実世界に活かさなければ何にもなりません。ウクライナが平和になるよう祈るばかりです。


2022年6月号

 私どもの事務所全員で「私たちの仕事(に求められるもの)って何ですか?」というテーマのカードワークをしたことを先月号でご紹介しました。これには続きがあります。その時の成果物である模造紙のまとめからスタッフの採用基準を決めて、採用面接に使ったのです。

 一次面接を私と総務の白鳥が、二次面接を社員税理士の末道と巡回監査士のスタッフ1名がしたでのすが、目のつけどころ(基準)を揃えるためのものです。これもカードワークと同じく、事務所内の全員にアンケートをして、具体的には右のような「採用評価シート」なるもの作りました。

これ自体は簡単なものですが、この上には全員が各評価項目について具体的に何を重視するかを列記してあります。ですから、自分以外の人が例えば「主体性」をどう捉えているかが事前に認識できます。「共通の評価尺度を共有する」に近づける努力をしているのです。

 

このような採用基準であおば税理士法人に入社してくれたのが大天(だいてん)さんです。4月の中旬から早くも電話に出ています。今後ともよろしくお願いいたします。

あおば税理士法人

代表社員 平本久雄

 はじめまして、今年4月に入社した大天 理央奈(だいてん りおな)と申します。珍しい名字なので、「どこの出身なの?」とよく聞かれるのですが、生まれも育ちも岡山です。趣味は旅行で、美味しい食べ物を求めて散策するのが好きです。新型コロナの影響で今は難しいですが、もし可能ならば北海道に行って海鮮丼を堪能したいです。

 大学時代は経済学部で、会計学を中心に学んでいました。会計の知識を活かせる仕事で、慣れ親しんだ地元に貢献していきたいという思いから、ご縁もありあおば税理士法人の一員として働くこととなりました。仕事を始めて2週間近く経ちましたが、なにもかもが初めてで、分からないことばかりです。そんな社会人生活を送っていますが、現時点の自分に出来ることが何かしらの形で、お客様、ひいては地域社会の役に立っているのかなと思うと、日々の励みになります。慣れないことが多く不安を感じつつも、新しいことを知っていくのはやはり楽しいです。一つ一つの学びを大切にして、着実に成長していきたいと思います。


まだまだ未熟者ですが、これからどうぞよろしくお願い致します。

あおば税理士法人

大天 理央奈


2022年5月号

 あおば税理士法人では、時に応じて全員の共通認識を明確にする目的で「カードワーク」なるものをやっています。

 昨年4月には今春の新卒採用を決めました。するとスタッフが「採用基準を作るためのカードワークをしましょう。」と提案してくれました。そこで月一回の会議内で時間を作り、「私たちの仕事(に求められるもの)って何ですか?」というテーマでカードワークをすることにしました。


まず、各人が小さなラベル12枚程度に言葉を書きます。全員が書けたら、順番に説明しながら一枚ずつ大きな模造紙の上に置いていきます。その際、人の意見を否定しないのがルールです。関連するラベルは、取りあえずまとめて置くようにします。

こうして全員のラベルが出そろったら、本当のまとめをします。小分類、中分類、大分類と階層別にまとめて並べますが、各々のまとまりにはまとめる言葉をつけます。否定しないルールなので様々な意見があり、まとめるのは難しいです。しかし、まとめないと日々の業務で使えるものにならないので、まとめはとても大切です。みんなで一緒に考えます。(ただし、私はあまり口を挟まないです。)


 こうして完成品を見てみると、自分たちの仕事の本質をみんなで共感を持って共通認識することができます。このカードワークをするようになってから、事務所の雰囲気もとても良くなりました。


2022年4月号

日本の陽春とは裏腹なウクライナでの戦火を心から憂えています。ウクライナの人達に死も、死んだ方がましだと思うほどの苦痛も訪れないことを切に切に願っています。

 さて、福岡ソフトバンクホークスの王貞治会長は、巨人で長嶋茂雄と主軸をになった野球界のレジェンドです。(私は王選手の方が好きでした。)一本足打法で量産した通算868本もの本塁打数は米国のメジャー記録をも上回ります。今でもまさに「世界の王」です。


その氏へのインタビューが、225日の日経新聞に載っていました。超一流選手にもあったスランプへの対処法を訊かれての王氏の答えは……


「人生は円です。『えん』つまり『まる』。悪いときは円の一番下なのだと考えます。円は時計のようにぐるぐる回っていて、下にいたら、後は上がるだけ。悪い時こそヒントが見つかります。やり残したこと、見過ごしたことがないかと考えていると、一丁これやってみよう、とか。もがいて、もがいて、もがかなきゃ」

これを読んで私が思い出したのは、鎌倉円覚寺の横田南嶺管長が、若い頃の様々な苦労の中で思い起こした、師からもらった言葉です。

 「苦しい時は、今幸せの種を蒔いていると思うが好い。その種はやがて芽を出す。たとえすぐ稔らなくても、私の人生これでよかった。そんな思いを残してくれる。」(横田南嶺著「自分を創る禅の教え」より)

私は東日本大震災後のTKC全国役員大会で、横田老師のお話を聴く幸運に恵まれました。私の文章力では伝わりにくいとは思いますが、そのお話は説教じみたとことが微塵もなく、お言葉が穏やかな空気のようにすっと体に入ってきたのです。とても希有なお坊様です。



2022年3月号

近年「子どもや若者がキレやすくなった。」とよく言われます。また、スマホをよく使う子どもの方がキレやすいとも言われます。それは、ネットやゲームの世界では結果をすぐに手にすることができるからだそうです。

4歳児にマシュマロという報酬をもらう体験をさせます。今すぐほしいのであれば1個だけしかもらえません。しかし、15分待てば2個もらうことができます。どちらにするか、それを子どもたちに選ばせるのです。これは子どもの自制心を測る実験なのですが、長い年月をかけてその子どもたちのその後の人生を観察した結果、15分待てる子の方が人生でより多くの成功(幸福)を手にしていることが分かりました。自制心は人生にとって重要なものだったのです。

ところが、スマホはこの自制心をむしばみます。ほどよく使うことが肝要です。

そもそも近時は、我慢も忍耐も辛抱も言われることが少なくなりました。けれども、人が人であるためのアイデンティティー(自己同一性 identity)には欠かせない要素の一つだと私は思っています。

 さて、地元の岡山ではあるのが当たり前の後楽園ですが、江戸時代は「御後園」という名称で、それが明治4年に「後楽園」と改められました。それは「先憂後楽」という言葉に由来します。

先憂後楽には「常に民に先立って国のことを心配し、民が楽しんだ後に自分が楽しむ。」という為政者の戒めの意味もありますが、文字通り「先に苦労したり      

心配事をなくしたりしておけば、後で楽ができる。」という意味もあります。

 立春とはいえまだまだ寒く、コロナ禍の息苦しい日が続きます。けれども、暖かくなってコロナ禍も収まり、スマホを忘れ、後楽園で自然の美しさと「先憂後楽」の意味を味わえる日を楽しみにしています。   (岡山後楽園提供 初夏の延養亭特別公開)

(ちなみに、後楽園はミシュラン・グリーンガイド・ジャポンの三つ星を取得しています。)



2022年2月号

  


あけまして、おめでとうございます。今年こそコロナ禍が収まるよう祈っています。

 

 さて旧聞ながら昨年、プロ野球のヤクルトが20年ぶりに日本シリーズを制覇しました。(私は備前市出身の山本投手がいるオリックスを応援したのですが……)その陰に、最新の映像データ解析システムがありました。以下、129日の日経新聞から引用します。


 球団は昨季から、選手の動きやボールの軌道を数値化する映像解析システム「ホークアイ」を他球団に先駆けて導入した。(中略)球場に設置した高機能カメラがさまざまな角度から捉えた映像をリアルタイムで解析する。当初4台だったカメラは2021年から8台に増設された。

 現在、国内11球団が採用している弾道測定器「トラックマン」がレーダーを利用して球の動きだけを追跡するのに対し、ホークアイは人の動きを含む多彩なデータを取得できるのが特徴。投球や打球の速度、回転数などに加えて、投手が球をリリースする際の高さや位置も確認できる。

 (中略)打者や投手の骨格の動き、試合中の野手の移動も捉えられ、将来的には打球の追い方の修正など多方面での活用が想定される。米大リーグは昨季から全球団の本拠地30球場で導入した。ヤクルト投手陣の底上げに一役買った“秘密兵器“が国内でも浸透するかもしれない。


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 引用を終わります。「野球のデータ重視もここまで来たか」という感がしますが、ボールをお金、自球団の選手を自社の社員と置き換えると、データ活用の要諦が見えないでしょうか。

球やお金の動きを分析し、その動きを変えようと思っても、ボールやカネの動きは変わりません。ましてや、相手チームや競合他社の動きなんぞ変えようがありません。一番大切なのは、自球団の選手や自社の社員の動きをよく知り、その動きを変えることです。


 会計情報はお金で表します。そして、お金は人が動くから動きます。私どもの監査担当者が「売上高が3ヵ月連続で前年同月比を下回っていましたが、今月は前年同月の101%ですね。」と説明した時、仮に続けて「どうされたんですか?」と訊かなくても、自社の役員さん・社員さんの動きはどうだったか、お考えいただくといいと思います。

 今年も、皆さま方の継続的なご発展を切に願っています。





2022年1月号

  


  

11月上旬に総社市で、横断歩道を渡っていた母子4人が居眠り運転の車にひかれ、2人が重体になりました。同月の下旬には横浜市で、歩道上のバス停に並んでいた人の列に車が突っ込み、2人が亡くなりました。

 私は、父が横断歩道で暴走車にひかれて亡くなったので、横断歩道を渡るときは車の動きを見ながら渡ります。ところが、自分が運転している時に横断歩道を渡る人を見ていると、私と同じことをしている人は10人に1人もいません。

 皆さまにお願いです。車が赤信号で100%停まるとは限りません。ですから、横断歩道を渡る時は、是非とも車の動きを見て下さい。命は大切です。

 

 1113日の日経新聞「インフレと向き合う」から引用します。「企業物価は記録的な上昇局面にある。企業物価指数は10月に前年同月比8.0%40年ぶりの上昇率になった。エネルギーや金属・木材などが押し上げる。ところが、消費者物価の上昇率は0%台に張り付く。川下の最終製品やサービスまで値上げが広がらない。」

 「そこにあるのは賃金が上がらない日本が抱える構造問題だ。経済協力開発機構(OECD)によると、過去30年で米国の名目賃金が2.6倍になったのに対し、日本はわずか4%増にとどまる。賃金が上がらないために需要が弱い。企業は原料高を転嫁したくてもできない。利益が伸びず、賃金も上げられない。この循環から抜けられない。」

 最後の部分は、1118日の日経新聞「大機小機」につながります。「法人企業統計で確認すると驚愕する。2009年以降、売上高が増えず、売上高に対する付加価値の率も停滞している。かといって付加価値からの労働分配率はほぼ横ばい(以下略)」


 岸田政権の経済政策は分配重視のようですが、分配の元となる付加価値を増やさずして、分配が増える訳はありません。エコノミストの加藤出氏のかつての言葉「アベノミクスは政策の優先順位を間違えている。」はそのまま今にも当てはまると私は思います。

 言うまでもなく、われわれ中小企業も付加価値と賃金の双方を上げていく努力が求められています。しかし、具体的に何ができるかは、大変難しいと言わざるを得ません。

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  勉強不足の私が一つ思い出したのは、約25年前、東京同友会の「経営指針作成の手引き」にあったことです。そこには「値下げ競争はスケールメリットのある大企業ならさておき、中小企業はすべきではない。自社の独自性に磨きをかけるべきだ。」とありました。皆様方にはせめて自社の独自性への誇りだけは失わないでいただきたいです。 




2021年12月号

  


 衆議院議員選挙での選挙公約は、与野党とも分配政策ばかりでした。その公示前に矢野財務次官が文藝春秋11月号に発表した「財務次官、モノ申す」が話題になりました。

矢野氏は、国と地方の債務合計が1,166兆円に上り、国内総生産(GDP)の2.2倍という先進国でずば抜けて大きな借金にもかかわらず、さらに財政赤字を膨らませる「バラマキ合戦のような政策論」が行われていることに警鐘を鳴らしました。

 まず、その内容そのものの議論です。「国債が累積しても日銀が買い入れて保有すれば財政破綻は起きない。」また「金利が成長率よりも低ければ政府債務の国内総生産(GDP)比は上昇せず破綻しない。」という批判がありました。他方、慶応大学の小幡准教授は1016日の東洋経済オンラインで、「矢野氏の論考は主張というよりは事実であり99%正しいが1%は間違っている。日本財政は『このままでは破綻する』のではなく、『必ず破綻する。』」と断じました。

 次に、公務員が政策提言をすることへの議論です。高市政調会長は「大変失礼な言い方。ばかげた話」と批判しましたが、鈴木財務大臣は「今までの政府の方針に基本の部分において反するものではない。」と述べました。

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 私は、以上の何が正しいかより、国民も国会議員も財政問題の議論を避けるようになったことが最大の問題だと思っています。東日本大震災後の復興財源は、復興特別法人税と今もある復興特別所得税で手当てされました。コロナ禍対策の財源は国会で議論すらされていません。財政赤字をタブーとする圧力が最近10年で上がったと私には思えます。

1020日の日経新聞は、『与野党9党首がそろったTBSのテレビ番組で、ある大学生が「国の借金が当たり前のようになっていますが、そのツケが回ってくるのは私たち若い世代。誰が、いつ、どのようにお金を返すのか議論されていないのが気になっています。」と疑問を投げかけたが、各党党首からは明確な答えはなかった。』と報じています。

こんな重要な問題を普段から議論していないから、素朴な質問にまともに答えられないのだと私は思います。もちろん、われわれ国民自身が財政問題から目を反らしてきたのではないでしょうか。

大変に困難ですが、巨額の財政赤字を正視、議論し、何とか財政再建の道筋をつけ、そのためにも必要な行政、経済、教育、福祉などなどの思い切った改革を行うことで、未来への一筋の希望が見いだせるのではないでしょうか。また、その希望によって、企業も家計も経済活動は変化すると私は考えています。将来不安があるから、給付金をもらっても預金する国民が多かったような気がします。




2021年11月号

  


 先月号で、お客様の会社で社員さん向けの決算説明をする機会があったことを書きました。その時人に話をしながら、なぜ自分が税理士になったのか気づきました。

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 私は小学生の頃から習っていた算盤が性に合っていて、中学生の頃は岡山南高校の商業科に進もうと思っていました。しかし、友達のほとんどが普通科志望であることを受験1年前に知り、慌てて勉強して高校の普通科に入りました。

 その流れで大学に行くことにし、もともと商業科志望だったので商学部や経営学部を考えるようになり、その中でも算盤のイメージに一番近い気がした(完全に勘違いですね。)会計学科に進むことにしました。


大学生になってから「資格が取れたらいいか」位の気持ちで、会計士と税理士の違いを調べました。大雑把ですが、会計士は大企業がクライアントで主に都会で働く、税理士は中小企業がお客様で都会でも地方でも働ける、と理解しました。

大学が首都圏にあったので会計士になる同級生が多かったにもかかわらず、Uターン志向があった自分は税理士試験にトライすることにしました。もっとも科目別試験がうまくいかず、いったん6年間会社勤めをしましたが、結局は税理士になりました。

私が決算説明をしながら気づいたのは、自分が「中小企業が好きだったんだ。」ということです。その気持ちの元は両親に由来します。父は大企業勤めでしたが、作業着を着て仕事をしていました。母は、昨年12月号に書いたように、農機具工場の臨時工として働いていました。だから、そんな作業着姿で働く人から遠くない場所で働きたいという気持ちがあったことにその時気づいたのです

両親にお礼を言おうにも既に亡くなっています。もっとも、生きていても照れくさくて言えなかった気がします。身近な人に大切なことが言えていないことはある、と今さらながら思います。



さて話は変わって、岸田内閣が発足しました。総裁選では候補者全員の政策がいわゆるバラマキだったと私は認識しています。しかし、安倍さんも菅さんも日銀まで巻き込んでのバラマキを繰り返しながら、経済は一向に改善せず、財政赤字だけが積み上がりました。消費に制限があるコロナ禍の中では、バラマキは余計に効果がありません。

給付対象は被害産業と生活困窮者に限定し、医療体制の充実や営業指針の策定など真のコロナ感染対策に集中してほしいと願っています。それが一番の景気対策でしょう。