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事務所通信追伸

 事務所通信追伸は、代表である平本が時事情報やその時感じていることをまとめたコラムです。
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2019年11月号

   

 世界三大投資家の一人であるジム・ロジャース氏の「日本への警告」(講談社)を読みました。以下はその本からの抜粋の箇条書きです。


・私はオックスフォード大学で歴史を学んだ。歴史や哲学を学び、興味を持ち続けたことで、将来どのような変化が起きるかを長期的に予想することができる。

・歴史は繰り返される。過去も現在も、そして未来も私たち人間はほとんど変わっていないからだ。

・その一方で、物事は変化するということも、歴史から学ぶことができる。


スナップ1

・安倍政権は日本円の価値を下げようとしている。日銀の指し値オペ(公開市場操作)は、紙幣を無制限に刷っていることと等しい。こうした通貨切り下げ策が中長期的に一国の経済を成長させたことは一度としてない。


・やがて日本の財政破綻がより人々の目に明らかになり国債が買われなくなれば、日本政府は金利を引き上げざるを得なくなる。そのとき、日本は高金利によってさらに膨らんだ借金と向き合わなくてはならない。


・日本政府は少子化対策として効果がありそうなことは何でもやるべきだ。

・歴史上の事実に耳を傾けるならば、豊かになるには移民を受け入れるほかない。そのためには、外国人に対する差別意識をなくす必要がある。

日本人にとって、日本国外(海外の株式やETF(上場投資信託)や不動産)に投資をすることはきわめて重要だ。

・最高品質のものは何でも日本にある。私が提案したいのは「メイド・バイ・ジャパン」(日本人の監修のもとでの海外生産)を世界に広めることだ。

・ペットボトルの緑茶は残念だ。急須でお茶を入れるのは美しい文化だ。日本人はいま一度自国の歴史を学び、誇るべき日本文化の価値を認識すべきだ。


・アメリカではトランプ政権が保護主義を強めているが、愚策でしかない。世界最大の対外債務を抱えるアメリカは、経済悪化により国債の債務不履行を引き起こす可能性がある。

・中国経済はまだまだ成長を続けるだろう。次なる覇権国家は中国である。


 


 一読して、過激な言葉は散見されるものの、奇をてらってはおらず、オーソドックスかつ柔軟な考え方をする人だと私は思いました。








   

2019年10月号

     


 

 夏の甲子園は履正社が初優勝しました。いつも東北や北陸の代表を応援する私は、星陵の優勝を切に願っていたのですが・・・

 

 その決勝戦の日に、智辯学園奈良と智辯学園和歌山の野球部の監督を46年間も務めた高嶋仁氏の講演を聴きました。甲子園に38回出場し、歴代最多の68勝を挙げ、春夏合わせて3回優勝されています。

 

高嶋監督の言う「日本一の練習」は半端ではありません。練習時間は8時間で、遅い時には夜中の2時までです。普通は200300回の腹筋トレーニングを2000回、普通は100150回のバットの素振りを1000回やります。

ところが、1学年の選手はたったの10人です。3年生だけのチームなら、補欠は1人だけです。

では、優秀な選手ばかりを集めるかと言うと、まったく逆です。授業料免除の特待生制度がないので、中学野球で顕著な成績を残した生徒は来ません。そして、10人のうち和歌山県以外からは2人だけです。

こうして、いわゆるB級の選手たちを「日本一の練習」で、甲子園で優勝するまでに鍛え上げます。


ここまで聴いて、私は「辞める生徒が多ければ、甲子園どころか野球部廃部では?」と思いました。その私の疑問に答えるように、高嶋監督はこう話されました。「落伍者を出さない。」

「その秘訣は」とはおっしゃらずに、続けた言葉が「選手の話を聴く」でした。「選手の言葉に一切口をはさまないで話を聴く。そして、次の日に自分の意見を言う」

とことん選手の話を聴く。それが智辯和歌山の真の強さを生む、と私は理解しました。

振り返ってみると、社員から本当の話を引き出せていない自分がいます。それこそ「話にならない」と猛省しつつ、会場を退出される高嶋監督の後ろ姿に拍手しました。

 

 


 103()に、恒例のTKC経営支援セミナー2019を開催します。講師は「6時だよ 全員退社!」の著者である田中健彦(たなか たけひこ)氏です。

今や喫緊の課題である「働き方改革」実践のヒントが得られるものと期待しています。是非ともお越し下さい。


2019年9月号

     


 7月に岡山で日本臨床脳神経外科学会が開催され、オープン参加の市民公開講座に参加することができました。


 講師のお1人はこの7月号でご紹介したサイバーダイン社長の山海嘉之氏でした。同社開発のHALは足腰や腕に装着するサイボーグ型ロボットで、人が筋肉を動かす際に出す微弱な生体電位信号を、皮膚に貼ったセンサーで検出して、モーターで意思に従った動作を実現するものです。

 

 「動かしたい」という意思に従ってHALが動作を助けると「動いた」という感覚が脳に戻ります。この繰り返しで脳と神経、筋肉のつながりが強まるそうです。要は、HALは体の動きを助けますが、その繰り返しによってHALの装着なしでも身体の動きが良くなるのです。


 2歳で交通事故に遭い、脊椎損傷で車いす生活を続けていた少年が、9歳のときHALを装着し、数時間後に少年の脚がビクリと動きだした映像を、本人と両親の歓声とともに見せていただきました。まさに「百聞は一見に如かず」でした。

 少年は体幹の強化にもHALを使い、(当然ですが)HALを装着せずにプレーする車いすテニスの日本ジュニアチャンピオンになりました。身体の機能が改善したのですが、少年とご両親のメンタルも良くなったそうです。





 「人間の持つ大きな可能性を信じる」という点では、もう1人の講師である有森裕子氏も同じでした。


生まれつき股関節脱臼だったこと、元気のない小学生だったけど声をかけてくれる先生がいて陸上を始めたこと、高校では優秀な選手を集めた陸上部に粘りに粘って仮入部したけど3年間補欠だったこと、大学でも芽は出なかったけど社会人になって小出監督と出会い、2大会連続のオリンピックのメダリストになったことを熱くお話しくださいました。

「長い長い時間、がんばり続けたんだなぁ」と私は驚きました。


 「言葉は人の行動を変える」「人間の持っている大きな可能性を信じてほしい」「最悪の状態の中でも、最高の状態を作る」「一所懸命がんばる。あきらめない」「がんばっていれば、誰かに応援してもらえる」「何で〇〇なん?より、せっかくだから△△しよう!」と、すばらしい言葉をたくさんいただきました。





2019年8月号


経済産業省のホームページにありますが、「中小企業の存在意義や魅力等に関する正しい理解を広く醸成するために」中小企業基本法の公布・施行日である720日が「中小企業の日」と定められました。


 広報用のロゴマークもあります。

「日本経済を支えている多くの中小企業・小規模事業者を柱に見立て、緑の矢印で『企業の成長』を表現しています。

昭和、平成、令和と時代が移りゆくなかで中小企業はいつの時代も日本経済を支え続けています。

さらに日本を元気にするために“ホップ、ステップ、ジャンプ”と令和時代にさらに飛躍することの期待を込めつつ、中小企業庁のロゴにもある楕円の線とその先端の丸いオブジェクトを配し、不変の支援を続けていく決意も表現しました。」とのことです。

カッコいいデザインかと言われると、個人的には正直「・・・」という気もします。しかししかし、表面的には必ずしもカッコよくないことこそ、逆に中小企業の本当の意味でのカッコよさだと私は思っています。いいデザインです。

 


 上場企業から税理士事務所すなわち中小企業に転職してからほどなく、税理士である上司から「どうだ。中小企業の世界は?」と訊かれ、私は「ええカッコせんでいいのがとってもいいです。」と答えました。(ただし、私が最初にお世話になった会社は、上場企業の中ではかなり「ええカッコせんでいい」社風でした。)

 こんな価値観は、私の父親も母親も作業服を着ての仕事だったことで作られたような気がします。ですから、私は作業服姿で働いている人を見ると、少々大げさに言うと、尊敬の気持ちがわいてきます。

 中小企業にしても作業服姿にしても、そこにより真実味を感じるから、自分は「カッコいい」と思えるような気がします。もちろん、大企業やスーツ姿に真実味がない訳ではありません。要は真実味にカッコよさを私は感じるのです。

かわいげもあるこのロゴマークを大切にしていこうと思っています。






2019年7月号

       日曜日の新聞はページ数が少ないですが、526日の日経新聞は目を引く記事が多かったです。

 

 大阪にある隆祥館書店は、「作家と読者をつなぐ書店」です。街の書店がどんどん減る中、店長の二村知子さんが「小さい本屋だからこそ、何かやらなあかん」と2011年に始めたのが、作家と読者をつなぐ座談会です。もう200回以上になります。刑務所をテーマにした著作がある作家との座談会では、少年達が犯罪に手を染めた経緯を参加者が聴き、会場中が涙しました。

 客からおすすめの本を訊かれることが多く、「510分話すとその人の好きそうな本が分かる」そうです。私も是非行ってみます。

 

 身体機能を改善、補助するサイボーグ型ロボット「HAL」の開発者であるサイバーダインの山海嘉之社長は、岡山県出身なので、ご存知の方も多いと思います。ロボットから来る連想で、私はクールな人というイメージを持っていました。これは大きな誤解で、人間とロボットの調和を真剣に考えている人です。

 帰宅後に映画を見るのが趣味で「ロジカルな日中から、最後パッと切り替える瞬間。情緒の部分を動かさないと気持ち悪い」と、毎日の人間的感動を大切にしています。一番のお気に入りは「ロレンツォのオイル」で、不治の病の息子を両親が必死に救うドラマ(実話?)です。私も是非見ようと思っています。

 

 靴磨きと言えば、路上に置かれた椅子に客が座り、職人が足元にかがんで、磨く様子を思い浮かべる人が多いでしょう。ところが、東京のビルの1室に店を構える「ブリフトアシュ」では、スーツとネクタイで決めた店主の長谷川裕也さんが、しゃれた店内のカウンターに靴を置き、客の目の前で約50分かけて靴を磨きます。路上では高くて1千円ですが、こちらは6千円と高級です。

 靴磨きの世界大会で優勝したこともある高い技術もさることながら、長谷川さんの「靴磨き職人をもっとカッコいいと思われる仕事にしたい」という心意気が素晴らしいです。中小企業経営者の中には、悪い意味で「ウチは中小だから・・」と言う方がまれにいらっしゃいます。人に上下はないので、そんなことは絶対にありません。そんな方には長谷川さんを見てほしいです。

 

 この日の新聞一面にはWHO(世界保険機構)が「ゲーム障害は病気」と正式認定したニュースが載っていました。もっと人を見てほしいと思った次第です。




     

2019年6月号

  自転車で横断歩道を渡っていた母娘が、暴走運転の乗用車にひかれて亡くなった大変に悲しい事故が、東京の池袋で4月にありました。

 そのお母さんの夫であり、その娘さんの父親である男性が記者会見で、「運転に不安があることを自覚した上での運転や飲酒運転、あおり運転、運転中の携帯電話の使用などの危険運転を思いとどまってほしい。それを周囲の方々も本人に働きかけてほしい。それが世の中に広がれば、交通事故による犠牲者を減らせるかもしれない。そうすれば、妻も娘も少しは浮かばれるのではないかと思います。」と切々と訴えておられました。


 

  事件から6日後の日経新聞のコラム「春秋」によると、日本の交通事故の約5割は「車が人や自転車をはねる」ものです。ところが、欧米の交通事故では死者の多くが車同士の事故によるもので、歩行中や自転車走行中の死者は全体の23割です。日本の交通環境は弱者に厳しいと言えます。


 報道では高齢ドライバーの運転技能の議論が盛んです。しかし、ご遺族が記者会見で訴えておられるように、(数としては圧倒的に多い)高齢でないドライバーである皆さんも、「この事件をきっかけに、自分の運転を見直してほしい。」と私は切に思っています。他人事にしてほしくはありません。               


 先の日経新聞によると、「日本自動車連盟JAFの調査では、信号がない横断歩道を歩行者が渡ろうとしても、停車する車は1割に満たない」そうです。皆さんはいかがですか?


 もう一つ、歩行者の方(かた)も気をつけてほしいです。車で交差点を通過する際、たいていの人は車の方を見ていません。私は直視しないまでも、必ず車を視界に入れて横断歩道を渡ります。また、歩行者として信号待ちをしている際は、万が一突っ込んでくる車があっても危険が少ない位置、たとえば信号機の陰に立ちます。



 34年前の6月、私の父は自転車で横断歩道を渡っていて、信号無視の時速100キロの車に約50㍍吹っ飛ばされました。即死でした。だから申し上げるのです。


 自分があの世に行って、もしもあの母娘に巡り会えたなら、「あなた方のお父さんが頑張ったから、あれから交通事故は減ったんだよ」と言いたいのです。






2019年5月号

  ここ1,2年「人手不足だけど、募集しても人が来ない」というお客様の声が増えています。言うまでもなく、そういうニュースも増えています。


 売上げ確保のために、自社のお客様にとって魅力ある会社(が作る製品、サービス)である必要があるのはもちろんです。他方、自社で働く社員さんにとっても魅力ある会社である必要がある、あるいは魅力ある会社を目指して行く必要がある、そういう時代になってきました。


 魅力の中身はいろいろありますが、賃金のことを避けて通る訳にはいきません。

 そして、4月は一般的には昇給の季節です。私どものお客様の約3割は残念ながら黒字ではないので、心に痛みを感じつつ以下申し述べます。


322日の日経新聞の記事「ニッポンの賃金」に、私は少なからぬショックを受けました。日興アセットマネージメントが2012年以降の株価を分析した結果、労働分配率が高い企業ほど株価が上がりやすいことがわかったのです。株価は利益と連動しています。同社の石川部長さんは「従業員の満足度やヤル気の向上が株価に好影響を与えている可能性がある」と話しています。




「労働分配率(人件費÷付加価値、あるいは人件費÷限界利益)は、業種にもよりますが、65%以下を目指して下さい」と私は申し上げています。「人件費を減らして下さい」ではなく、「限界利益を増やしましょう」という意味で申し上げることが大半ですが、私が申し上げていることと先の調査結果は一見逆さまです。


 しかし、矛盾ではなく、「限界利益を増やして、最終的な利益を出すためには、あえて賃金を上げるという要素もある。」と私は理解しました。あるいは、今年賃上げができなくても、社員さんと3年ないし5年後のビジョンを共有し、利益確保と賃上げに向けて一緒にがんばることが不可欠ではないでしょうか。


 記事の後半には、小西美術工芸社の英国人社長であるデービッド・アトキンソン氏の発言が載っていました。氏は「労働コストが上がれば利益は圧迫されるだろう。人件費の増加分を価格転嫁するのは難しく、経営者も生産性を高める必要性に気づくはずだ。」と主張されています。立場の弱い中小企業だからこそ、価格転嫁を諦めてはいけないと私は思いますが、生産性向上は大変に重要です。


 今回のテーマは、ここに書いていいかどうか、随分悩んで書き始めました。私自身も、毎年4月は昇給幅の1千円でウンウン悩みます。けれども「言いにくいことこそ大切なこと」と何かで読んだ記憶があります。お叱りのお声があれば、私まで遠慮なくお寄せ下さい。







       

2019年4月号

  


先月に引き続き、小林慶一郎慶大教授の講演のことを続けます。



年々膨らむ財政赤字は、いつかは将来世代が負担することになります。今の世代の負担軽減は、将来世代の負担増(大幅な増税かインフレか)になります。この点は地球温暖化対策と同じで、どちらも世代間協調問題と言えます。

しかし、政治家は今の自分の議席を死守したいので、「将来の子供たちのために増税しましょう」とは決して言いませんし、仮にそういう人がいても投票する有権者は少ないでしょう。


小林教授は「現代社会は個人の利己的かつ合理的な行動を容認(追求)しているので、世代を超えた超長期の政策プロジェクトは、現代社会では実現不可能」とまで仰っています。厳しい見解です。


しかし、小林教授は諦めません。この閉塞感を打開する糸口として、高知工科大学の西條辰義教授が提唱された「フューチャーデザイン(将来設計)」というアイディアを紹介されています。

これは「将来世代の利益代表を政治の場に出現させる」というものです。実際にこれを実践したのが岩手県の矢巾町です。


上水道事業をどうするかの住民討論を2015年に行った際に、現代世代グループだけでなく、将来世代グループを作って議論をしました。将来世代グループとは「2060年に生きている将来人になったつもり」でその議論に加わってもらう人たちのことです。

当時から上水道事業は黒字だったので、水道料金の値下げという選択肢もありましたが、結論は違いました。2060年までに大規模な設備更新投資が必要であること、それが年々の黒字の蓄積でも不足していることが重視され、逆に水道料金の値上げが提案されたのです。


この仮想将来世代を政策決定の場に入れるという試みは、長野県松本市や大阪府吹田市でも行われています。利己的という限界を超えて、意思決定における世代間利他性、端的にいえば「子供たちのために、今我慢しよう」という意識を高められます。これは2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)とも整合性があります。



今の私たちが意識改革をすれば、未来の子供たちを幸せにできる、と私は考えます。



       

2019年3月号

  

 日本の国と地方を合わせた公的債務は1,200兆円を超えて年々増加していっています。国と地方の税収が約100兆円ですから、年収5百万円の人なら6千万円の借金です。一生がんばっても返せるか疑問です。さらに問題なのは、この人の支出が借金返済も含めて年9百万円近いということです。


慶應大学の小林慶一郎教授の講演「財政危機と日本経済」を同時衛星放送で聴きました。


 財政問題への最も現実的な対策は、

 ①年金を10%削減し、支給開始年齢を67歳にする

 ②医療費と介護費の本人負担を2割にする(現在、高齢者は1割負担)

 ③女性の賃金水準と正規雇用比率を男性並みにする

 という大前提での消費税率15%だと話されていました。


ちなみにOECDが提言する消費税率は19%です。3つの大前提がないので、両者の整合性はあるように思います。

しかし、事務負担が大きく税理士会が反対している軽減税率の導入や「消費税対策」を見ていると、大前提の③はともかく、①年金改革、②医療改革、消費税率15%のすべて実現させるのはかなり難しいと私は感じます。

このままだとどうなるか が大変気になるのです。


小林教授は将来のどこかで財政破綻すると懸念されています。大幅なインフレと国債の暴落です。大幅なインフレによって金融資産の価値は大きく失われます。また、国債の暴落は国債を直接保有している人はもちろん、(金融機関が国債を保有しているので)預金として間接的に保有している人にも打撃を与えます。

どちらも、国民が負担するという意味で、大増税と変わりありません。いや、急激な大増税ですから、もっと悪いです。

しかし、今の段階でも巨額の財政赤字は経済に暗い影を落としている、と小林教授は仰っています。検証がまだ不十分ながら「公的債務がGDP90%を超えると経済成長率は1%低下する」という学説があるそうです。日本のその比率は240%超ですから、無視できない学説です。



小林教授は、「成長が先、財政再建は後」は成り立たない、財政問題は遠い先のことではなく今の問題だと警鐘を鳴らされています。財政再建も成長戦略だと仰っていました。私は最後のお言葉に真の前向きさを感じました。






       

2019年2月号

     

  私どもが毎年開催している経営支援セミナーに、12年前にご登壇いただいたのが、広島県府中市で看板製造業を営むタテイシ広美社の立石社長(当時)さんでした。

 セミナーでは立石社長さんに「経営理念こそ、すべての根幹」「わが社は看板制作業ではなく情報伝達業」「自分がいこる(燃える)ことで人が集まる」と熱く語っていただきました。

 数年後にお目にかかった際に「大企業に勤めている娘婿が『会社を継ぎたい。お父さんが楽しそうに仕事をしているから』と言うんだよ」と、満面の笑みでお話し下さいました。

 そのタテイシ広美社さんの新聞記事(日経2018.12.5)を見つけ、二代目社長さんが「情報伝達業」にさらに磨きをかけられていることを知り、立石会長さんに喜びの電話をしました。

            

私なりにまとめると、「自社が進む道をじっくり考え抜き、明確化した経営理念を社員と共有して燃えれば、会社は継続・発展するし、事業承継もうまく行く」ということだと思います。見習います。







2019年1月号

         

日本経済新聞の「やさしい経済教室」に、中村和彦南山大学教授の「組織開発で考える職場の活性化」と題する記事が1126日から連載されていました。

その記事から

①日本企業、人間的側面を軽視、

②「お一人様職場」回避へ協働、

③現状認識に対話の場必要、

を以下私なりに簡単にまとめてみます。

 

1980年代までの日本企業は、QCサークルや小集団活動に象徴されるように、職場での対話という人間的手法を重視した組織でした。しかし、バブル経済崩壊後は利益重視の視点から成果主義が導入され、仕事のプロセスは大切にされなくなりました。

 その結果、職場の協働度合いやモチベーションが落ち、逆にストレスは増加しました。

 また、1人で操作するパソコンやモバイル端末の普及で、隣の人の仕事がよくわからない個業化された「おひとりさま職場」が増えています。比較的簡単なルーティンの仕事はIT化や外部委託化され、残った社内の仕事は高度かつ専門的になり、担当者しかわからない分業が増えたことも、個業化に拍車をかけています。

そうなると、個人プレーヤーが仕事を1人で抱えることが多くなって、職場でのストレスが高まりやすくなり、助け合いや教え合いによる人材育成が難しくなってきました。


QCサークルや小集団活動でなくても、職場での双方向対話(コミュニケーション)を増やすことが必要です。

ところが、人員削減、人手不足と労働時間の短縮によって仕事自体がますます多忙化し、意味のある会議の時間も短縮され、職場での対話による品質向上や業務改善を行う時間がありません。

けれども、チームで仕事をする場合の目標のズレ、業務手順の不具合やムダな手順、メンバー間の認識のズレといった組織の機能不全を打開するためには、リーダーの決断によって、あえて時間を作って双方向対話(コミュニケーション)の場をつくることが、中長期的には組織の効率アップや時短、職場の人間性回復につながります。こういうアプローチは、働き方改革が叫ばれる中、ますます大切になります。



 要約を終わります。いかがでしたでしょうか。末筆になりましたが、良いお年をお迎え下さい。





       

2018年12月号

     毎年恒例の私どものTKC経営支援セミナーも、先月おかげさまで無事盛会のうちに終えることができました。このセミナーの講師を2005年(平成17年)にお願いしたのが、香川県観音寺市にある三宅産業株式会社の当時社長だった三宅昭二氏です。


家業の石炭販売業を住宅設備業に転換し、年商30億円もの優良企業に育てられました。その経営の要諦は、人間性尊重の精神に基づき、同友会で学んだ経営指針書を会社の中心に据え、社員さん達がイキイキと働く会社にされたことにあります。